![]() ![]() ![]() これまで、幾百の景色が通り過ぎたのだろう… これまで、幾千の距離を走りぬけたのだろう… 04年北海道 05年京都・鳥取・岡山 09年関東〜中部北陸〜近畿 そして2010年 四国への旅を以って、結果的にBJのツーリングは幕を閉じる事となった。 2011年2月4日 早朝 2ストロークのエンジンは前触れもなく停止し、2度と排気する事はなかった。 最終的な総走行距離は22370km…。 BJの物語は、突然に終焉を迎える。 果たして、銀色のアイツは幸せだったろうか… 普通に街乗りしていただけならば、 或いはもう少し長く走れたのかもしれない…。 果たしてアイツは幸せだったのか。 それを考えるのはタブーである…と結論する。 なぜならば、彼と共に駆け抜けた記憶は、 今なお、この心に深く刻み込まれているのだから。 バイクも生きて、走って、駆け抜けて… いつかは死んでゆくものなのだ…。 人の人生も然り。 たとえ、いつか終わりがくるのであっても 後悔など微塵も残さず、ただひたすら前へ進めば良い… それは何よりも誇り高き事なのではないか。 それは何よりも美しく尊い事なのかもしれない。 思えばそういった事を、BJは 無言の内に強烈に語りかけてくれたのだと思う…。 7年間に渡る、君のその熾烈な走りに… 鮮烈な生き様に… 凄絶で見事だった死に様に… 感謝と敬意を込めて ありがとう、BJ BJ引退記念 総集編・第四夜 2010年〜2011年 遥かなる旅路…編 |
2010年9月 四国へ旅をする |
結果的に最大規模の移動距離・日数となった09年の旅・・・ それは、原付通というサイトの復活の狼煙となったのか。 かくして、翌・2010年、4度目の旅企画を構想する事となった。 今回、目的地に据えるのは、過去・未踏の地であった四国。 シーズンを少し逸れた9月中旬…実現のメドが立ち、決行さる。 ![]() 2010年9月14日〜9月21日 ※詳細は旅レポ参照のこと 『原付通2010 VVV遍路 September』と呼称した本企画。 過去・未踏の地である事… 9月半ば〜1週間前後で適当に放浪でき得る距離の場所である事…といった前提のもと 白羽の矢が立ったのが、前述の通り・四国というエリアだった。 当サイトの旅企画の通例として、 まず・企画のタイトルを決める…カタチから入る……といったコトが挙げられる(笑) 今回は、四国を旅する…というコトで、遍路というキーワードを。。。 何故かサッカー・オランダリーグのチーム名・VVVフェンロと掛けて、 VVV遍路(フェ〜フェ〜フェ〜・フェンロ)と、意味もなく名付けられた(笑) 尚、この年・2010年は、原付通の母体である私のホームページ・Nomotty Zoneが開設10周年という節目であった ので、なんとなくタイトルにそれを加えてみたりもする。。。(笑) 旅のスタイルなどは、 昨年までで、ほぼ盤石になりつつあるので、基本的に大きな変化はなし。 積載方法なども、昨年のリアカゴ積みをそのまま採用。 ただ、1週間前後…といった限定された時期の流浪が前提として在った為、 それならば05年の様に、宿泊手段を可能な限り・意識的にテント泊でいこう!といった思惑が頭にあった。 ただ、四国を旅する上での最初の岐路は、その上陸手段であろう。 本土から瀬戸内海という海を隔てたエリアである特性上…車両関係で直接・現地入りする手段は大きく分けて3つ。 ●瀬戸大橋or鳴門海峡大橋から上陸 ●フェリーで海路から上陸 ●広島県・尾道市より、しまなみ海道を経て上陸 …と、こうなるワケだが、自動車専用道たる瀬戸と鳴門の橋は、原付は渡れません・・・(^_^;) というワケで、原付の場合・自動的に2者択一となるワケで。。。 走行ルートとして、独自の面白さ・魅力のようなモノを感じたしまなみ海道ルートを選択する事となった。 幸い・岡山までの往復は、過去の旅で2度経験積み。 旅の初日〜出だしに、過去の走行データがあるルートを走れる…というのは、非常に心強いものである。 かくして、 国道2号を西へ進路をとり、四国を目指す旅が始まった。 尾道を目指す… ![]() ![]() 2010年9月14日 午前6:53 天候:曇り 今回は相棒のフロントカウル及び・メットに、ジオン公国軍のマーキングを施し、テンションMAX(笑)! 四国へ向けて、いざ・出陣♪ さしあたって向かうのは、四国への直接侵入路となる、しまなみ海道の入口たる・広島県尾道市★
![]() ![]() 2010年9月15日 AM 5:30〜 一夜明けて、笠岡市内の太陽の広場にて。 ある程度明るくなるのを待って、撤収! ![]() 積載も完了し、しばらくまったりした後・出発★ 目指すは…尾道!そして、しまなみ海道。
![]() ![]() 向島-因島を繋ぐ、因島大橋へ続く原付道を発見!橋を渡るべく、側道をせっせと上る。
![]() 因島大橋の出口付近にあった料金所。 無人で、脇にあるオレンジ色の箱に料金を入れます。 原付の通行料金は…¥50(笑)
![]() ![]() 生口島の島内を走り、次の大三島へと続く多田羅大橋にやってきた! ここは、橋の入口付近に例によって無人の料金所があった。 通行料金は、¥100! しまなみ海道走破には、ある程度・ジャラついた小銭が必要である事を改めて痛感(笑)…しつつ、 無事、4つ目の島へと歩を進めるのであった。。。
![]() ![]() 休憩と昼食を挟んだ後、午後からはいよいよしまなみ海道も大詰めへ… やってきたのは、次の伯方島へ続く大三島橋! アーチ状の特徴的な橋。 アスファルトにデッカく原付・自転車/歩行者の文字!インパクト大ですね(笑)
![]() 宿命の岐路…?だった(笑)!
![]() ![]() 来島海峡大橋を渡る。 橋自体は巨大なんですが、原付が走る事を許される道は・・・・ 対向とすれ違うのがやっと…といった、狭さでした(笑) いよいよ四国へ…その第一歩を踏みしめる時が 迫りつつあり、胸が高鳴ったのをよく覚えています。。。 しかし、ホン、マ 天気悪いやね〜…(^_^;)
◆大惨事◆ 松山市〜本日の野営予定ポイントへの移動途中。 日没して、お腹が空いたので道すがら飲食店へ立ち寄る。 で、食後… 店先へ出て、唖然。 口をあんぐりと開けて、ただ・立ち尽くす・・・・・ ![]() それは、ただ一言…こう呼ばれるものだった……
四国を駆ける…! ![]() ![]() 2010年 9月16日 一夜明けて、道の駅ふたみ。 まず最初にやるべきコトは…テントの水気を完全に乾かす事! か・な・り・寝不足気味ではあるが、なんとかその作業と撤収を終え、 準備して出発! 昨日とは打って変わって見事な晴れ模様となったのが、せめてもの救いであった。
![]() 昨夜の不眠+疲労のダメージもあった為、当初は佐田岬訪問は見送る…ハズだったのだ・が? なんと、迂回するハズの道を1本間違えて・・・結局、岬方面へ来てしまったワケである(笑) こうなりゃ、ヤケクソ! かくして、四国最西端・強行を決し、突き進む。 写真は佐田岬半島の名も知らぬ漁港。 これから、後方に見える風車を追うように、尾根沿いの国道を突破して突端へ向かうワケであります。
![]() 道の駅・瀬戸町農業公園 こうして、遠くから駐輪している相棒を眺めるのも好き。 国道197号…通称・佐田岬メロディーライン 佐田岬からの復路である。 白バイの追尾を察知し、辛くも逃れた前後だったか。 この時は、眠気がMAXレベルに突入したのを思い出します…(笑)
![]() 2010年9月17日 一夜明けて、愛媛県西予市。 昨夜の正規の宿での一泊によって、予想以上に体力を回復できた★ 山の向こうの靄が気になるが…(^_^;)、とりあえず天気は抜群に良い! 本日の目的地は、四万十川流域〜足摺岬〜などを寄り道エリアに見据えた高知県・南西部! 順風満帆・いざ参る!
![]() ![]() ついにやってきた!四万十川・流域!! ゆったりと流れる水面は癒し効果抜群!…ながら、 太陽が照りつける位置は、いずれも凄まじい暑さ…(^_^;)
![]() ![]() 出会う景色、ひとつひとつに感動しながら、今度は一路・南へ進路を変える。 四万十川はやがて、巨大な河川へと変貌。 相変わらず天気はすこぶる良い(^−^)
![]() ![]() 西日が眩しくなり始める頃、足摺岬・到着♪ こここそが、四国・最南端! ジョン万次郎・像に拝謁しつつ、しばし小休止。 しかし…相変わらず・凄まじい暑さである。。。(^_^;)
![]() ![]() 樫西園地 高知県・南西端付近に位置する絶景の海岸。 辛うじて日没前に到着! ご覧の様に、ここはため息が漏れる程・メチャクチャ景色が良い場所な上、 展望台付近にて無料キャンプが合法で可能…!という夢のような場所。 他の利用者もなく、完全貸切状態のキャンプ地。 月明かりの中、四万十川を駆ける長い1日は、かくしてゆったりと過ぎてゆくのでありました。 ![]() ![]() 2010年9月18日 樫西海岸の夜明け。 道の駅などでのゲリラキャンプと異なり、こういったキャンプ合法地では 気兼ねなしに寝起きできるのが素晴らしい! というワケで、朝の散歩など楽しんだのち、ゆとりを持って出発。 本日のさしあたっての目的地は…龍馬ゆかりの地・桂浜!
![]() ![]() 桂浜 高知県といえばここを避けては通れない? 桂浜・・・坂本竜馬像!! しかしッ 無念!!! 到着時刻が災い?し、正面からのカットは無情にも逆光で謎の男に。。。orz
![]() ![]() ライダーズイン室戸 PM6:49 日没してしまったが、何とか到着! 事前に電話で問い合わせておいたので、すんなりとチェックイン。 ココが高知県に数カ所・点在するという噂のお宿・ライダーズイン! トイレとシャワーのありがた味を噛み締めつつ(笑)、まったりと休む。 ![]() ![]() 2010年9月19日 一夜明けてライダーズイン室戸の朝。 午前5時〜支度を終えて、入口付近に移動すると2人のライダーさんに遭遇。 ご挨拶したのち、しばし談笑。 こういったライダー宿?独特の雰囲気は久々で、思いがけず楽しいひとときでありました★ 尚、彼らをはじめ・昨夜は多くのライダー達が宿泊していたが、 やっぱり原付乗りは私だけ…であった(笑)
![]() ![]() 室戸岬を経て、海沿いの国道55号を北上。 一路・徳島方面へ向かう。 途中、超巨大・弘法大師像や夫婦岩といったツーリングマップルに マーキングされている通りの名所・珍所?が次々と目前に現れる。
![]() ![]() 沈みゆく西日を追いかけるように国道11号をひたすら西へ走り、 遂に四国最後の県・香川県へ到達! 時刻は午後5:34。 地図を頼りに目を付けていた無料キャンプ場まで、あとちょっと…だったのだが?
![]() ![]() 2010年9月20日 道の駅・津田の松原 AM5:30〜 昨夜 寝てたのは、神社さんの前だったりします(^_^;) 撤収後、地図や資料を広げて作戦会議。 議題は…『如何に効率よく食せるルートを構築するか』…! 何を? 讃岐うどんを! そう!本日のメインはうどん屋ハシゴ・ツーリング♪ うどんという名の奇跡 ![]() ↑※ロールオーバー効果付き↑ 2軒目と3軒目のハシゴの最中、腹ごなしを兼ねて瀬戸大橋などにも 寄り道しておりました♪
![]() ![]() フェリーの腹に相棒を積み、出港。 遠ざかる高松港に万感の思い。 神戸に着いたら、旅は終わる……のか??
![]() ![]() まさかの淡路島・上陸。 出迎えてくれたのは、ライトアップされた巨大な明石海峡大橋。 それにしてもこの橋・・・ この旅で、陸路・海路・往路・復路…含めて、一体何度お目にかかった事やら。。。(笑) 09年にも野宿した道の駅あわじにテントを張り、明日のラストランに備えて休むのだった。 憂愁の淡路島 ![]() ![]() 2011年9月21日 淡路島 道の駅あわじ AM5:30〜 目覚めると、お空は怪しいDeep Purple…(^_^;) とりあえず、撤収。 昨夜寝ていたのは、明石海峡大橋の真下ですね。
![]() ![]() 島の南端・鳴門海峡へとやってきた。 道の駅うずしお。 鳴門海峡を挟んで対岸に見えるは、数日前に立ち寄ったばかりの徳島県・鳴門市…♪
![]() ![]() 名も知らぬ海辺。 ここにも見覚えがある…。 こんなに良い天気だと、南国にやってきたような気分です(^−^)
![]() ![]() 野島断層を見学したのち、再び明石海峡へと戻ってきた。 昼飯にアナゴ丼なるものを食したのち、島を後にするべく船着き場へ行くのだが…?
![]() ![]() たこフェリーで本土へ復帰したのち、国道2号を東へ走る。 その中途、神戸市長田区に立つという鉄人28号立像に立ち寄ってみる。 その全長18m!! 台場ガンダムと同クラス! こちらは、駅前の広場にフツーに立っているので、ご覧の様に至近距離での ツーショットが可能!! 鉄人28号自体には、個人的にそんなに愛着があるワケではないのだが、 その圧倒的なド迫力にテンション上がりました★ ![]() ![]() 神戸〜国道2号を突破し、無事・大阪へ帰宅。 まる1週間にわたる四国の旅は、総走行距離・1645kmという数字を残し、終了。
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2011年 BJ、堕つ |
四国ツーリングの記憶も冷めやらぬ2011年2月。 ぼちぼち、日本一周という野望を実行に移す……か?とあれこれ夢想していた頃でした。 2月2日 午前7:30 通勤途中の道を走っていると、ウォ・ウオゥォ〜〜ン・・・・・と、異音を放ち、 相棒の速度がみるみる落ちてゆき、遂にはエンジンが停止。 突如、襲われた思いがけないトラブルにうろたえる。 咄嗟に脳裏をよぎったのは、『Vベルトが切れた?』という予感。 思えば、これまで超!長距離を幾度も走り続けてきた相棒である。 唐突にどんなトラブルが生じても、或いは仕方がなかったのかもしれない。 とりあえず、仕事をすっぽかすワケにもいかんので、残り1km程を押して歩く。 〜 仕事上がり後に、行きつけのバイク屋さんに電話。 軽トラを回して頂けるように交渉。 お店を閉めてからならば来て頂ける、との事なので、それまでそちら方面に向かって 相棒を押して歩く事に。 普段はスイスイと快走している幹線道路。 その脇の歩道をひたすら押して歩く。 高架道路では、迂回し。 線路にブチ当たると、歩行者用のスロープをゆき、 ただ、ひたすら押して歩いた。 そこに沸き起こる不吉な予感を押し殺して……。 〜 バイク屋のオッちゃんと合流。 所見で見て頂いた所・・・・ 『あ〜、これは……多分・エンジン焼きつき…やねェ。。。』 余りの衝撃に開いた口、塞がらず・・・ とりあえず、軽トラに積んできて貰った代車<JOG>に乗り、BJを預かって頂く事に。 『後日、バラして見てみるけど…多分、ピストンとかシリンダーとかイッてるわ。』 〜〜 数日後。 修理する場合の大体の目安が分ったとの連絡を受けて、バイク屋にゆく。 そこには・・・・ ![]() ![]() 長い旅路の果てに、疲れ果て…
![]() ![]() クランクケース内部。 プーリーなどは取り外され、クランクシャフトがむき出しになっている。 プラグは、エンジン停止の際に共に焼きついてしまったようだ。 〜〜 バイク屋のオッちゃんの説明は… 覚悟していたとはいえ、辛いものだった。 ●エンジン内部のピストンとシリンダーが経年劣化により破損。修復不可能。 ●修理しようと思えば、現在・破損している部品をまるごと交換の必要あり。 その場合、ウン万円規模はかかる。 ●クランクシャフトも同様の劣化がみられ、破損するのは時間の問題。 ●その他にも、いずれガタがくる部位はどんどん出てくる。 要点をまとめれば、以上のような事…とのコトだった。 オッちゃんには、乗り換えを薦められた。 『愛着があるのは分るが、この調子でドンドンとガタがくる部分をその都度・直してたら、 将来的に中古なら1台買えるぐらいの値段になっちゃうよ』 …との事。 当然だ。 当然である。 当然、愛着はある。 ないはずがない。 〜〜 大いに悩む。 数時間ほどバイク屋で話し込んだ結果・・・・・・・・ 遺憾ながら、BJの引退を決意。 バイク屋のオッちゃんのアドバイスの通り、乗り換えを決めた。 苦渋の判断であった・・・・・。 2010年2月4日 BJ引退。 ![]() ![]() 取り外されていたキックペダルを形見として頂く。 廃車寸前の距離メーターは…22370.4km この数字、忘れられぬものとなりそうだ。。。 ![]() かくして、原付ツーリングサイト原付通の黎明期より、全ての中心にいた相棒・BJの物語は 幕を閉じるコトとなった。 唐突に訪れた無二の親友との別れは、この上なく悲しく辛いものだったコトに変わりない。 ただ、 冒頭でも述べていたように、後悔は微塵もない。 決してツーリング途中に倒れる事はなく、最後まで力強く走りきったアイツに… そして、 命が燃え尽きる間際だったであろう、2月のあの日… 通勤途中…あとほんの少しで辿り着ける位置まで頑張って走ってくれたアイツに… 感謝と敬愛を込めて、お疲れ様。ありがとう! 君の事は生涯、忘れません★ ![]() 一粒の涙のために 石ころはひび割れてゆく 夢ひとつ守れるのなら 砕け散る意味もあるだろう |
BJ引退記念 ノモッティー&BJ ◆座 談 会◆ 其の四 |
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